2026年度入学者の募集が開始しました。詳細は農学部HPに掲載中です。
リニア新幹線の開業に伴い南信州のまちの構成が大きく変わる可能性があります。地域の自然環境の潜在能力を丁寧に見極めて、環境の価値と先人たちが築き上げてきた伝統を尊重し、開発適地と人が手を付けてはならないところを正しく認識する必要があります。
信州大学大学院総合理工学研究科は、2023 年4 月より南信州・飯田サテライトキャンパス(エス・バード内)にランドスケープ・プランニング・プログラムを開講しました。
リニア計画に関連して実際に進行しているプロジェクトと連携して、
社会実装演習として取り組んでいます。こうした演習を通して世界で通用する一流のランドスケープ・アーキテクトを育てます。
作成 : 増田達哉(1期生)
ランドスケープ・デザインとは、地域環境の潜在能力を生かしてその地域でなければなしえない環境を保全・創出するデザイン手法で、人が基盤を造りその後を自然が時間をかけて創ることにより完成度の高い都市、集落、農地、樹林地、河川、道路、土木構造物、建築群、街並みなどの外部空間を総合的に計画・設計することを指します。そうした職能をランドスケープ・アーキテクトといいます。
私たちは、開発の機会を利用し今より優れた環境を地域に還元することを目指します。
人は自然を作ることはできませんが、環境の基盤を作ることができます。
自然環境の微妙な違いを見抜きましょう。あなたが見ている環境は優れていると思ってもせいぜい60 点くらいかもしれません。正しいデザインをすればそれを70 点にして地域に還元することができます。
次に地形改変に伴う正しい造成・排水設計技術を身に付けましょう。
これができないと土木技術者と対等に話ができません。この二つができたうえで空間デザインを行います。あなたが描いたスケッチがその通りに実現するはずです。
M1前期は、座学を中心に設計のための基本的なスキルや知識を身に着けます。それ以後の各学期で、実際のプロジェクトを題材にスタジオ演習を行うとともに、修士設計を主体的に進めます。
日々の授業と演習に加え、週に1回修士制作に対して研究室全体で議論をする時間があります。少数精鋭のため、一人一人密度の濃い議論・指導が行われます。さらに、自主的に外部のコンペやプロジェクトに参加します。
修士設計では、テーマ選定からスケジュール設定まで自分で取り組みます。実際にまちを何度も歩いたり、地形や地理情報を読み解いたり、地域の計画や社会情報と敷地のポテンシャルを見比べたり。感性を磨き、多くの知識を吸収し、それを実際に手を動かして表現する日々を繰り返します。
本講座の設立背景から、思想を鍛える設計演習よりも、実事業として展開可能な地に足の着いたプロジェクト設計を重視しています。
そうした成果の蓄積をベースに、実際の地域づくりについて地域の方々(まちづくり委員会など)や行政に対して積極的に提案を行っています。
そこから、関心を持っていただいた地区や行政の皆さんと少しづつ実際の検討を進めはじめています。
学生は、2年間を通して修士制作に取り組みます。テーマと敷地は、南信州の中で自らの興味関心・問題意識から主体的に選定します。
新しい地域交通と市街地形成の模索(仮)
ゆっくりの移動に伴う風景を展開するランドスケープデザイン(仮)
南信州を流れる井水を活用した新しい暮らしの提案(仮)
など